この事例の依頼主
女性
相談前の状況
夫が妻以外の女性と約2年間にわたり不貞関係を持ち、かつ、高額の金銭を交付していたところ(約1000万円)、これが妻に発覚し、妻が不貞相手に慰謝料請求をした事例。なお、夫と妻は、専ら経済的事情で離婚しないものの、別居はしていた。
解決への流れ
夫の不倫相手に請求書を送付するものの、これを無視するので民事訴訟を提起。手続きが本人尋問(事件の当事者を尋問することを「本人尋問」といいます。)まで至るも、不倫相手が一切反省を見せず、開き直る態度を取った。また、質問に対する回答も一貫せず、その場しのぎの感が否めなかった。その結果、尋問後の和解協議において、裁判官から、離婚しない場合では破格の慰謝料200万円超を認める心証開示がされた。
本件は特殊事例なので、一般化できませんが、個別具体的な事情に照らせば、いわゆる相場を超える慰謝料も認められるものだと思いました。依頼者は、妻として夫のために数十年間尽くしてきたにもかかわらず、夫と不貞行為を持たれたどころか、共有財産の相当部分を奪われました。不倫相手は、もらったものだから何も悪くないと主張しましたが、不倫相手に1000万円も貢ぐことは普通ではありません。相場以上の慰謝料が認められた理由は、この辺りにあると思います。