この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
兄妹が3人いたが,認知症の父と同居して,亡くなる1年前まで介護してきた。兄二人には介護を手伝ってもらいたいと何度も連絡しても,自分には家族がいるからできないと断られ,金銭的な支援も,父の財産でやりくりしろの一点張りだった。それなのに,亡くなったら,亡くなるときには施設に入っていたのだから,介護とか関係ない,介護は女がやるものだ等といわれた。納得できない。
解決への流れ
交渉段階にて,相手方らに同居期間のお父様の要介護度は3から4であったこと,依頼者は介護のため仕事を辞めたこと等の主張をしたところ,相手方らも介護の実績を認め,1割相当の寄与分が認め,依頼者が5000万,その他が3000万円ずつの遺産分割協議が成立しました。
本件は,依頼者は金額に対して執着はなく,介護を自分が担ったことに何らの感謝も感じていない態度が許せなかったものでした。そこで,介護の状態がどういうものだったのかを,依頼者の日記をもとに書面にして出したところ,比較的早く同意が得られた案件でした。寄与分は立証が難しい案件ではありますが,交渉で了解を得られることもあります。その際,相続人同士で協議がまとまらない場合でも,弁護士が入るとまとまることもありますので,お早めにご相談ください。