この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
運送会社を営まれているご依頼者様は、新社屋用に、建築士・不動産会社の説明のもと、土地の売買契約及び社屋の設計施工に関する契約を締結しました。この際、ご依頼者様は、買った土地等を担保に銀行から融資を受けて、新社屋建設を進めていくことを予定し、設計契約にはいわゆるローン特約をつけました。一方、融資担当の銀行は、当該土地の接道状況の悪さを理由に融資を認めてくれませんでした。そこで、ご依頼者様は、相手方との契約を解除したのですが、相手方から、実費作業分の報酬金を請求されました。ご依頼者様は、そもそも最初の売買契約において、土地が接道義務を満たしていないため再建築不可であること、及び、それにより価値が低いことをきちんと説明されておらず、仮にこのような説明を受けていれば、そもそもこのような設計実費を支払うような自体にはなっていなかったため、支払いを拒否したいとの想いから、当事務所にご依頼になりました。
解決への流れ
ご依頼者様は、融資を受けられることを想定して、今回の契約に至ったのですが、再建築不可である本件土地の市場価値がかなり低いということについて認識がなかったことが本件紛争の原因でした。そこで重要事項の説明義務違反を訴訟で争いました。もっとも、重要事項説明書には説明を受けたという旨の記載があったため、訴訟は難航し、何とか多少の減額を得ることで和解するに至りました。
本件訴訟は、証拠関係からはなかなか難しい案件でしたが、最後までとことん戦いたいというご依頼者様のご意向を尊重して、最後まで訴訟を継続することにしました。依頼を受けた弁護士としては、ご依頼者様の経済的利益を最大限にすることが使命ですが、それと同時にご依頼者様のお気持ちやご意向を最大限に尊重することも同じように重要なことです。時には敗訴するリスクを抱えながら、お気持ちを守るという二者択一の状況も生まれることもあります。そのような際には、きちんとメリット・デメリットを説明したうえで、ご本人のご意向を最大限に尊重したいと思っています。