この事例の依頼主

男性

相談前の状況

依頼者は,トラブルがあった被害者に嫌がらせをしようと,被害者の自動車に傷をつけたり,落書きをするなどしたところ,防犯カメラ映像から犯人が依頼者であることが発覚し,器物損壊罪で逮捕されてしまいました。

解決への流れ

逮捕された段階で受任しました。担当検察官に連絡したところ,同種余罪もあるし勾留請求をする予定であるとのことでしたので,裁判所に対し,勾留すべきではないという意見書を提出しました。その結果,裁判所は,検察官の勾留請求を却下し,検察官からの不服申立ても認めず,釈放となりました。その後,余罪も含めて被害者と示談ができて,不起訴となりました。

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新阜 創太郎 弁護士からのコメント

器物損壊罪は窃盗罪などと比べて法定刑が軽く(3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料),依頼者は前科もなかったため,処罰されるとしても,せいぜい罰金の事案でした。しかし,勾留されたとなると,仕事や自身の持病,老親の介護等,生活に大きな影響が予想されました。そこで,これらの事情を指摘して勾留することは相当でない旨の意見書を裁判所に提出しました。もっとも,トラブルの経緯等について被害者等に働きかけて罪証を隠滅するおそれを指摘されることも心配しましたが(被害者に接触しないという誓約書を提出しました。),幸い,裁判所はこの点は重視せず,当方の主張を受け入れて勾留請求を却下してくれました。しばしば,検察官は,処罰されたとしてもせいぜい罰金にしかならないことが見え見えの(軽微な)事案についても,勾留請求をしてくることがあります。予想される処分(刑罰)と勾留されることが被疑者に及ぼす影響のアンバランスについては,本来,裁判所は,指摘されなくても気にしていなければならないはずですが,何も言わないと,検察官の勾留請求を認めてしまいます。本件でも,弁護人が抵抗していなければ,そのまま勾留されてしまった可能性が高かったものと思われます。