この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
私は、夫と小学生の子どもとの3人暮らしですが、夫が愛人との交際にかまけて生活費を家に入れなくなり、浪費と借金を繰り返し、あまつさえ、私に離婚を迫るようになりました。私は、まだ子どもが幼いこともあり、今すぐには離婚をするつもりはありません。しかし、生活費のことを話し合おうとしても、夫は私を無視して口もきこうとしませんし、私は私で生活費を補填するために、がむしゃらに働いて毎日を過ごすのが精一杯で、何をどうすれば良いかわからなかったので、弁護士に相談しました。
解決への流れ
私が、弁護士に、さしあたって夫からはきちんと生活費を支払ってもらいたいと相談したところ、生活費の確保の方法として、婚姻費用分担請求調停を申し立てることを勧められました。ただ、当時の私はとても弁護士費用を十分に払える状態ではなかったため、調停のサポートという形で、私の名前で弁護士に調停申立書類を作ってもらい、私自身がそれを提出して、自分で調停に出席し、それに対する助言を、期日の前後に電話でしてもらうという形を選択しました。その結果、3回目の期日で調停が成立し、婚姻費用を確保することができました。経済的な不安が大きかった私にとって、目的が達成でき、弁護士に支払う費用も、低額に抑えることができましたので、満足しています。
ご夫婦の仲に亀裂が入った場合、一方配偶者が他方配偶者に婚姻費用、すなわち生活費を払わなくなることは、残念ながらよく見られる事象です。婚姻費用の不払いは、家計に打撃を与え、特にお子様のいらっしゃるご家庭では、深刻な問題となり得ます。ご夫婦が、離婚する、あるいは別居を解消するまでは、婚姻共同体の維持のために、互いに婚姻費用を負担する義務がありますので、その不払いについては、婚姻費用分担調停や審判を申し立てることが可能です。調停が成立、あるいは審判が出て、婚姻費用分担額が決まれば、万一支払義務者が決められたとおりに支払わなかった場合でも、給与や口座を差し押さえる等して支払いを受けることができます。ところで、婚姻費用の分担については、いわゆる「算定表」という、夫婦それぞれの年収と、子の人数、年齢を基礎として、毎月の負担額がいくらぐらいかを一覧できるマトリックス図のような表があります。ただ、これは別居している夫婦を想定した表であり、本件のように、別居しておられないご夫婦の場合は、その表に修正を加えながら金額を決める必要がありますので、弁護士に依頼されることをお勧めします。また、婚姻費用のご相談を受ける機会は非常に多いのですが、そもそも生活費が不払いとなっていて、ご相談者が経済的に苦しくなっており、通常の、調停や審判の弁護士代理を頼むには、費用が払えないということも多々あります。そのような方の場合には、本件のように、調停や審判の申立書類をご本人名でお作りし、実際の出頭はご本人のみにお願いすることになりますが、各期日について、今後どのように話を進めるべきか、どのような追加書類を提出すべきか等、具体的なサポートをその都度させていただくという形態のリーガルサービスもおこなっております。これなら、調停申立書類作成費用と、サポート料のお支払のみで済みますので、完全な弁護士代理を依頼するよりは低額で、目標を達成することが可能になります。何とか婚姻費用を早く支払ってほしいけれど、弁護士費用が十分に用意できない、という方は、是非ご相談下さい。