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「差別を恐れカミングアウトできない人たちのためにも」 同性婚求め一斉提訴、原告の思い
2019年02月14日 16時18分

バレンタインデーである2月14日、同性婚ができないことを憲法に問う裁判が始まった。同性婚を求めて、裁判に踏み切ったのは、20代から50代の同性カップル13組。札幌、東京、名古屋、大阪の4カ所の地裁で一斉に提訴した。

東京で提訴した原告11人と弁護団、支援団体は同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した。原告の1人である相場謙治さんは、「原告団だけでなく、差別を恐れカミングアウトできない全国の人たちのためにも、がんばりたいです」と意気込みを語った。会見では、「今まで経験したつらいことを思い出して」と涙を見せる場面もあった。

原告のカップルはそれぞれの自治体で婚姻届を提出しているが、いずれも受理されていない。訴状では、法律上、同性カップルの婚姻を「不適法」として受理しないことは、憲法上の権利である「婚姻の自由」(憲法24条1項)を侵害し、法の下の平等を定めた「平等原則」(憲法14条)にも違反する不当な差別的扱いであると訴えている。同性婚の違憲訴訟は全国初となる。

バレンタインデーである2月14日、同性婚ができないことを憲法に問う裁判が始まった。同性婚を求めて、裁判に踏み切ったのは、20代から50代の同性カップル13組。札幌、東京、名古屋、大阪の4カ所の地裁で一斉に提訴した。

東京で提訴した原告11人と弁護団、支援団体は同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した。原告の1人である相場謙治さんは、「原告団だけでなく、差別を恐れカミングアウトできない全国の人たちのためにも、がんばりたいです」と意気込みを語った。会見では、「今まで経験したつらいことを思い出して」と涙を見せる場面もあった。

原告のカップルはそれぞれの自治体で婚姻届を提出しているが、いずれも受理されていない。訴状では、法律上、同性カップルの婚姻を「不適法」として受理しないことは、憲法上の権利である「婚姻の自由」(憲法24条1項)を侵害し、法の下の平等を定めた「平等原則」(憲法14条)にも違反する不当な差別的扱いであると訴えている。同性婚の違憲訴訟は全国初となる。

●「セクシャルマイノリティは劣っているという意味ではない」

この日、東京地裁での訴訟の原告12人のうち、11人が会見に臨んだ。40代の男性カップルである相場謙治さんと古積健さんは2013年に結婚式を挙げ、結婚指輪もしている。生活を共にし、職場や友人、近所でも「ふうふ」として認識されているが、埼玉県川越市に提出した婚姻届は受理されなかった。

相場さんは、「この訴訟を通じて、多くの人にセクシャルマイノリティの苦難や困難を知っていただきたいと思っています。ここにいる原告団だけでなく、差別を恐れてカミングアウトできない全国の人たちのためにも、我々は戦っています。

特別な権利がほしいわけではなく、平等なスタート地点に立ちたいだけです。裁判所におかれては、公平な判断のもと、国に同性婚を認めてもらいたいと思っています」と語った。

相場さんのパートナー、古積さんも「私はセクシャルマイノリティで、日本語だと性的少数者の一人です。少数というのは劣っているという意味ではないのですが、同性同士のカップルが婚姻を選択できないことは、私には『あなた方は劣っているのだ』と言われているように思えてなりません。

この裁判は、私たち、および、ここにいない仲間たちの尊厳を取り戻すための旅だと思っています。私たちの、相手を大切に思う気持ちは異性カップルと何ひとつ変わらないことをこの裁判を通じて伝えていきたいです」と話した。

●カミングアウトできないまま原告に「勝って顔出ししたい」

50代の男性カップルである佐藤郁夫さんと「よし」さんは、佐藤さんのみ会見に参加した。

カミングアウトしていない「よし」さんからは、「顔出ししないで、原告になっています。いつも通りパートナーと並んでいたいのですが、それができないのが現状です。でもこの裁判に勝って、最後には顔を出して笑いたいと思います」というメッセージが佐藤さんによって代読された。

佐藤さんはHIV陽性者であり、特定非営利活動法人「ぷれいす東京」の職員として、HIVの啓蒙活動や陽性者の支援活動をしている。

「僕も30代までゲイであることを隠していました。いけないこと、おかしいことと思って生きてきたからです。今はオープンにしていますが、あの時の気持ちを若い人に感じて欲しくないと思い、原告になりました」と提訴の理由を語った。

また、「僕はHIVに感染しています。天国に行く時は最愛の人と手をつないで別れたいのですが、臨終の場は家族しか入れません。今のままでは叶えられません」として、支援を訴えた。

●同性パートナーと子育て中に乳がんに「死んでも死に切れない」

原告の中には、子育てをしている女性カップルもいる。40代の小野春さんと西川麻実さんだ。

2人は14年間、同居しながら、それぞれの連れ子3人を育てている。2015年には世田谷区で同性パートナーシップ宣誓も行った。しかし、2016年2月に小野さんが乳がんの告知を受け、もし自身が病死した場合、同性パートナーとは共同親権が持てないために子どもの親権は誰が持つことになるのかなど、多くの悩みを抱えたという。

小野さんは、その時のことを「死んでも死に切れないと思いました。ずっと家族として暮らしてきたので、法律上も家族になりたいです」と語った。

西川さんも、「好きな人と結婚できることは、家庭を築くための幹線道路のようなものだと思います。この幹線道路が閉ざされた中、パートナーと道なき道を拓き、なんとか子どもを育ててきました。でも、このつらい思いは、私の世代で終わりにしたいと思っています。応援よろしくお願いします」と訴えた。

●「相手が同性でも異性でも、結婚の自由は保障されなければならない」

弁護団は今回の裁判を、「結婚の自由をすべての人に」訴訟と呼ぶ。東京訴訟の弁護団共同代表、寺原真希弁護士は訴訟について次のように説明した。

「憲法24条が定める『婚姻の自由』は、結婚をするかどうか、するとしたら、誰とするか、いつするかは、個人が決めることができるという自由を保障しています。相手が同性であるか、異性であるかに関わらず、婚姻の自由は保障されなければなりません。 同性間の婚姻を認めていない現状は、同性カップルの方々の婚姻の自由を侵害するものであり、憲法違反であると考えます」

また、弁護団の一部と専門家らが「MARRIAGE FOR ALL JAPANー結婚の自由をすべての人に」(http://marriageforall.jp/) という一般社団法人を1月に立ち上げ、この訴訟の支援を行っていくことも発表された。

今後、同性婚実現のためのムーブメント創出を目指し、イベントや情報発信を行うという。提訴と同時に、訴訟の応援を募るクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/MFAJ) もスタートした。まずは、500万円を目標額に広く支援を募っていく。

(弁護士ドットコムニュース)

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