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“食い尽くし系”はモラハラ? 「出産直後で体調の悪い妻の食事まで食べていた」投稿に「うちも…」と大反響
2025年01月22日 10時07分

家族の食事やおやつを断りなくすべて食べてしまう夫のことを「食い尽くし系」といいますが、そうした人たちの言動が今、ネットで注目を集めています。

きっかけは、赤ちゃんを出産したばかりの友人に食事を差し入れしたという人によるXの投稿でした。

投稿者は、友人から「具合が悪くて起き上がれない」という連絡がきたため、2人分のお弁当や果物などを買って駆けつけたといいます。投稿者は、家にいた友人の夫に、自分が赤ちゃんの世話をしている間に2人でご飯を食べるように言って、友人の夫に買い物袋ごと渡したそうです。

すると、友人の夫は別の部屋で、夫婦2人分の食料を食べ尽くしていたそうです。投稿者は夫婦2人で食べてほしいと思っていたとのことで、「一生忘れない」と驚いたようでした。

この投稿は反響を呼び、「いいね」が14万も集まりました。また、同じような経験談も多く寄せられています。

家族の食事やおやつを断りなくすべて食べてしまう夫のことを「食い尽くし系」といいますが、そうした人たちの言動が今、ネットで注目を集めています。

きっかけは、赤ちゃんを出産したばかりの友人に食事を差し入れしたという人によるXの投稿でした。

投稿者は、友人から「具合が悪くて起き上がれない」という連絡がきたため、2人分のお弁当や果物などを買って駆けつけたといいます。投稿者は、家にいた友人の夫に、自分が赤ちゃんの世話をしている間に2人でご飯を食べるように言って、友人の夫に買い物袋ごと渡したそうです。

すると、友人の夫は別の部屋で、夫婦2人分の食料を食べ尽くしていたそうです。投稿者は夫婦2人で食べてほしいと思っていたとのことで、「一生忘れない」と驚いたようでした。

この投稿は反響を呼び、「いいね」が14万も集まりました。また、同じような経験談も多く寄せられています。

●避難所で家族の食料独り占め、産院のご飯勝手に食べる…

Xでの投稿に対し、次々と体験談や目撃談などが寄せられました。

「出産時、産院からもらった紙に『産婦のための食事です。付き添いの方は食べないで下さい』といったことが書かれていた。出産した妻の食事を奪う夫がいるらしい」

「出産を終えたばかりの友人のお見舞いに行ったら、ちょうどおやつの時間で、出されたゼリーを旦那が食べようとしていて、病院のスタッフに怒られていた。後日、旦那は医師や栄養士から『指導』も受けたらしい」

「災害時、避難所で家族全員分の食料を父親に渡したら、一人で食べてしまい、母親と子どもが飢えるから、必ず母親が取りに来てくださいっていう話があった」

弁護士ドットコムにも、同じような悩みを持つ妻からの相談が寄せられています。

相談者によると、夫が「食い尽くし系」で、一人で3人分は食べるため、食費は月10万円はかかるそうです。夫婦には子どもが3人いますが、渡される生活費はたった13万円。相談者が離婚しようか悩んでいるといいます。

食い尽くし系は夫婦間のトラブルになることが多く、中には離婚問題にまで発展するケースもあるようです。寺林智栄弁護士に聞きました。

●「食い尽くし系」は意図的な嫌がらせではない

こうした無断で家族の分まで食料を食べてしまう夫、「食べ尽くし系」はモラハラにあたるのでしょうか。寺林弁護士はこう説明します。

「モラハラとは正しくは『モラルハラスメント』で道徳や倫理に反する嫌がらせ行為のことを言います。夫婦間で言えば、暴言や無視、過干渉などにより配偶者に精神的な苦痛を与える行為をいいます。

いわゆる『食いつくし系』は、夫の自制心や理性が足りず家族に不利益を及ぼすもので、道徳に反する行為に該当するとはいえますが、意図的な嫌がらせといえるケースは少ないと考えられ、一般的にはモラハラに該当するといえるものはわずかではないかと考えられます」

●食い尽くし系「離婚事由になる場合もある」

しかし、夫婦関係に亀裂が入り、離婚まで考える人もいるようです。こうした「食い尽くし系」は離婚事由になりえるのでしょうか。

「結論からいうと、離婚事由になる場合もあると思われます。

先ほど述べたように、『食いつくし系』それだけでは一般的にモラルハラスメントには該当しません。しかし、このような行動が常態化している人は、わがままで何でも自分の思い通りにしようとする、話し合いが成立しないなどの傾向がある人も少なくないでしょう。

そうすると、自分の意に反する言動を行う配偶者に対して罵詈雑言を投げかけ、精神的に追い詰める人も少なくないと思います。このようなケースでは、いわゆるモラハラとの『合わせ技』で『婚姻を継続しがたい重大な事由』があるとして離婚が認められることになると思います。

『食いつくし系』のみの場合でも、長期間に渡り注意をしても一向になおらず、そのために家計が著しく悪化したり、配偶者や子らがまともに食べることができず健康状態が悪化したなどの極端な事例においては、『婚姻を継続しがたい重大な事由』があると考えられ、離婚が認められることもあると思います」

●「食い尽くし系」とのコミュニケーションはどうする?

SNSをみていると、「食い尽くし系」の当事者は、自覚がないケースが多いようです。中には、ネットで指摘されて初めて気づいたという人もいるとのことですが、離婚ではなく、家族で暮らしていくためにコミュニケーションをどう改善すればよいのでしょうか。

寺林弁護士はこうアドバイスします。

「目の前にある食べ物を、『他の人の分も含まれていること』を意識せずに無制限に食べてしまう人は、他人に配慮する気持ちが不十分な人ともいえると思います。

このような人が家族にいる場合には、例えば大皿で料理を出さない、『あなたの分は〇個』と食事の都度告げる、食費でどれだけのものがかかっているかを定期的に伝えるなど、根気強く対応することが必要なのではないでしょうか。

その人がやっていることが非常識なことなのだということを、くりかえし周りの人が伝えなければ本人はわからないと思います。

とはいえ、我慢の限界もありますし、その人の性格によってはとても言い出せない、理解しようとしないということもあると思います。

その場合には無理せず別居・離婚を検討する選択肢もあります。弁護士にご相談されるのが良いでしょう」

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