6780.jpg
袴田さん再審無罪、血痕の赤みで争うのは「時間の無駄」 弁護団が「控訴断念」うながす"新証拠"提示
2024年10月04日 17時07分
#袴田事件 #再審 #光学

静岡県で一家4人が殺害された事件の再審(やり直しの裁判)で無罪を言い渡された袴田巌さん(88)。その弁護団と支援者が10月4日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いて、検察側に向けて控訴を早期に断念するよう訴えた。

当時、袴田さん有罪の決め手となったのは、事件発生から1年2カ月経って、現場近くのみそタンクから見つかった「血の付いた5点の衣類」だ。今回の再審で、静岡地裁は「捜査機関が捏造したもの」と結論付けたが、衣類に残った「血痕の赤み」が争点となっていた。

この日の会見で弁護団側は、光の性質を研究する「光学」の専門家に鑑定を依頼したところ、「5点の衣類」のうち、ステテコの血痕や生地の色相や彩度から「短期間みそに漬けられただけ」、つまり、1年以上も浸かったものではないという結論を得たと明らかにした。

主任弁護人の小川秀世弁護士は「(5点の衣類の血痕に赤みがあるかどうかという)主観的な議論に決着をつける画期的な鑑定だ」と述べた。袴田さんを支援している白井孝明さんは「これに関して(検察側が)争うのは、時間の無駄、あってはならないことだ」と話した。

再審公判に新たに証拠として提出しなかった理由は「すでに再審請求審で合理的な疑いが生じたと判断されていたので、迅速な結論を得るためだった」という。弁護団では、オンライン署名サイト「change.org」でも検察の控訴を断念するよう求めるキャンペーンを展開している。

静岡県で一家4人が殺害された事件の再審(やり直しの裁判)で無罪を言い渡された袴田巌さん(88)。その弁護団と支援者が10月4日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いて、検察側に向けて控訴を早期に断念するよう訴えた。

当時、袴田さん有罪の決め手となったのは、事件発生から1年2カ月経って、現場近くのみそタンクから見つかった「血の付いた5点の衣類」だ。今回の再審で、静岡地裁は「捜査機関が捏造したもの」と結論付けたが、衣類に残った「血痕の赤み」が争点となっていた。

この日の会見で弁護団側は、光の性質を研究する「光学」の専門家に鑑定を依頼したところ、「5点の衣類」のうち、ステテコの血痕や生地の色相や彩度から「短期間みそに漬けられただけ」、つまり、1年以上も浸かったものではないという結論を得たと明らかにした。

主任弁護人の小川秀世弁護士は「(5点の衣類の血痕に赤みがあるかどうかという)主観的な議論に決着をつける画期的な鑑定だ」と述べた。袴田さんを支援している白井孝明さんは「これに関して(検察側が)争うのは、時間の無駄、あってはならないことだ」と話した。

再審公判に新たに証拠として提出しなかった理由は「すでに再審請求審で合理的な疑いが生じたと判断されていたので、迅速な結論を得るためだった」という。弁護団では、オンライン署名サイト「change.org」でも検察の控訴を断念するよう求めるキャンペーンを展開している。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る