16140.jpg
スタートアップ企業で賃金支払われず、労基署に刑事告訴 代表取締役は音信不通
2022年02月17日 15時08分

スタートアップ企業(東京都新宿区)で働いていた20〜70代の男女9人が、2021年5月以降賃金が支払われていないとして、会社と代表取締役の男性を新宿労働基準監督署に刑事告訴した。告訴は2月15日。代理人らが2月17日、記者会見を開いて明らかにした。

未払い賃金は計約1700万円に及び、もっとも多い人で約350万円にものぼるという。

代理人の笠置裕亮弁護士は「被害者の多くが大学や大学院を出たばかりで、基本給も賞与も残業代も全て支払われていない。極めて悪質で、労働基準法の罰則が適用されるべき」と指摘した。

スタートアップ企業(東京都新宿区)で働いていた20〜70代の男女9人が、2021年5月以降賃金が支払われていないとして、会社と代表取締役の男性を新宿労働基準監督署に刑事告訴した。告訴は2月15日。代理人らが2月17日、記者会見を開いて明らかにした。

未払い賃金は計約1700万円に及び、もっとも多い人で約350万円にものぼるという。

代理人の笠置裕亮弁護士は「被害者の多くが大学や大学院を出たばかりで、基本給も賞与も残業代も全て支払われていない。極めて悪質で、労働基準法の罰則が適用されるべき」と指摘した。

●代表とは連絡は取れず音信不通状態に…

告訴状などによると、会社は2020年10月に休眠会社を復活させる形で創業し、ブロックチェーンの新規開発を主な事業としていた。

被害を訴えている元従業員ら9人は、2020年10月〜21年6月に採用されたが、21年5月から基本給を含む一切の賃金が支払われなくなった。代表者は「来月になったら資金調達ができるから信じてついてきて欲しい」などと話したという。従業員らは8月以降退職を余儀なくされた。

元従業員らは2021年9月に新宿労基署に労基法違反の申告を行い、同労基署は10月28日に是正勧告を出し11月までに未払い賃金を支払うよう確約させたが、支払いはされなかった。

その後、代表者は元従業員らの代理人弁護士に対し「2021年内に支払い見込みについて連絡する」と話したが、以後連絡は取れず音信不通状態だという。

代理人の笠置裕亮弁護士は、「労基署はどういう場合に検察庁に送致するかの内部基準があると話したが、その内容は明かせないという。代表者は逃亡の恐れがあり、身柄拘束して逮捕すべき事案だ。なぜ今回のケースで適用されないのか、罰則規定は形骸化しているのではないか」と疑問視した。

企画立案などをしていた男性は「代表から『提案書作って』と言われ、日々リサーチなどをしていた。給与が止まった時も代表は『売り上げが立つから』と言っていた。自分は売り上げを立てる側だったので、皆を助ける一心で当時は必死だった」と振り返った。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る